BNA 感想(全話視聴済み) ネタバレあり

まさに今、先行配信でBNAを見終わった。前半の明るい雰囲気とは打って変わって、後半は暗い展開や、スッキリしない出来事が重なっていく。

前半の楽しくてライトな雰囲気が好きなら、温度差に耐えられないかもしれない。

 

以後ネタバレ。内容を踏みたくない人はブラウザバック。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トリガー」脚本の欠点は健在

さて。プロメアの時も挙げた点であるが、なによりも脚本の急加速と、伏線のない唐突なネタバラシがラストギリギリに起きる。

悪役の手の上でいいように転がされ続ける後半の展開と合わさって、なかなか印象が悪く、消化不良感が残ったまま終わってしまった。

いがみ合っていたのに、急に全面的に信頼しあえるまで修復される、みちるとなずなの関係。アランの言葉を鵜呑みにする登場人物たち。今回はいつもの欠点に加えて、キャラクターたちの行動や気持ちの面がチグハグな感じがした。

一貫しているのは、みちるの主張と士郎の感情くらいで、キャラクターたちが都合良く動きすぎていたように思う。まぁ、みちるの主張も最終回の展開で一気に薄っぺらくなってしまうのだが。

 

 

主張と行動

最終回でステージに立ったみちるの言葉。あれは最初の頃からずっとみちるが示してきた、彼女のスタイルを端的に表したものであったと思う。

獣人か人間か。男か女か。美しいか美しくないか。楽しいか楽しくないか。自分の外面も内面も、自分が自分で決めるべきもので、それを外部から干渉するのは間違っているという主張だ。

この主張は繰り返し彼女が示してきたことだし、口にしていたことでもあった。それゆえに、あの盛り上がりであの展開で、アランと戦わなかったのが残念でならない。

自分で決めると言うことは、決めたことに対して責任を持つと言うことである。主張を認めさせるなら、主張を自分のものとしたいのなら、彼女は自らの手でアランを打ち倒す必要があったのだ。

 

いいところもあった

アクションは当然良かったので特に書かない。わかりきったことをわざわざリマインドするのは無駄だからだ。

色彩や美術に関しては、高い評価を得たプロメアのノウハウが遺憾なく発揮されていたと思う。特にみちるとなずなの色彩設計は素晴らしい。

諸星さん、細谷さんをはじめとした声優陣の演技も良かった。特に諸星さんは、勝気で今っぽい女の子の演技がとても良くて、ずっとみちるだけ喋ってて欲しいくらいだった。

みちるの主張やキャラクター設定に関しては、ブレがなくしっかりしていて主人公の風格を感じた。みちるというキャラクターに関してだけは、最後を除いて文句のつけようがないほど、良かったと思う。

 

「トリガー作品」の行く末

信じてもらえないと思うが、私はtriggerという会社と、ここのスタッフさん達、なによりもここの作品が大好きだ。トリガー作品は、他のどの会社とも明確に違う。古き良き雰囲気やオマージュを残したまま、独特な形で進化していっている。

トリガー作品は、特にアクションや声優の演技に秀でていると思う。さらにはプロメアで、独特な画面も手に入れた。もはや無敵だ。

トリガーは、視聴者が求めるラインの遥か上を突き抜けていくようなものが作れるはずだ。キルラキルのように、熱く、かっこよく、外連味に満ち満ちた新旧マーブル状の怪作を生み出せるパワーがあるはずだ。

それなのに、どこか停滞している感がするのが残念で仕方ない。百点満点で、二百点をもぎ取って欲しい。期待を裏切って、予想を上回って欲しい。

いつかきっと、triggerが天井を突き破る時がくると、私は確信している。今は無理でも、いつかは必ずそうなるはずだと、信じている。

 

長々と書いたが、結局私がtriggerに言いたいのはたった一つだけだ。

場外ホームランをもう一度。